ひねくれ社長のたわ言

ひねくれ社長のたわ言

会長 竹内 修

私は信じる「真面目すぎる者、不真面目者の如し」 私は信じる「賢すぎる者、馬鹿者の如し」 私は信じる「素直すぎる者、ひねくれ者の如し」

連載エッセイ <その10> 

私は前世紀の遺物

10.私は前世紀の遺物 
 兵庫県立近代美術館で開催されていた「アメリカンドリ-ムの世紀展」で感じたこと。 
先ず目に入ったのは、1959年型キャデラックエルドラド、これはOK、正統派アメリカ文化として承認します。 
 次に展示されていた1969年型ハ-レ-ダビットソン イ-ジ-ライダ- チョパ-を見たとき私は少なからぬショックを受けた。 
 私の無意識の分類では、ハ-レ-ダビットソン イ-ジ-ライダ- チョパッパ-は 正統派アメリカ文化を表象するものではないと固く信じていたようです。 
 やっぱり、ハ-レ-はファット ボ-イがいい。 ファット ボ-イは,無骨で暴れん坊だが善良な力持ちを連想させる。 そのうち何とかして手に入れたいものだーーー我に秘策あり。 
さらに、イ-ジ-ライダ-は歴史上の事柄ではなく現在であり、そしてまもなく無くなっ てほしい贋アメリカ文化と考えたかったのです。 
 続いて、展示されていたアップル2で完全にノックアウトとなりました。 
アップル2は私にとっては歴史ではなく今なのです。 
現在のものを歴史展に出すとはなにごとか! 
おもえばアップル2には,ひとかどの思い入れがある。 
まだアップル社がガレ-ジで仕事を始めた創業期、私はその年、発表されたコモド-ルの「ペット」を手に入れようとアメリカに渡ったのですが、 アメリカの知り合いたちは「ペット」よりも、ラジオシャックの「タンデイ」しろと言うのです。 
しかし、当時の私は「ペット」のかっこよさに惹かれていましたので、なかなかその気になれず、迷っていました。 
 そんな時、スタンフォ-ドでコンピュ-タ サイエンスを学んでいた義弟が「友人がアップルという会社を始めた」、 「その会社のアップル2が素晴らしい、それを買えば」と勧めてくれました。 
そのガレ-ジ工場のアップル2に一目惚れ、衝動買いとなってしまいました。 
 しかし、歴史展ではアップル2も歴史上の事物として、展示されている。 
考えてみれば、私のコンピュ-タの知識もあの頃からほとんど進歩していない。 
ああそうか、だから今も、私は若い人が自由に使いこなしているメ-ルやウィンドウズを使うのに、ぎこちなさがあるのだ。 
私にとってアップル2も歴史ではなく現在なのだ。 
 やはり私は20世紀の遺物らしい。 
さて、20世紀の遺物が21世紀をどのように生きればよいのだろう。みんな私のはるか前を進んでいる。 
 ここから暫く、私の書く事は50代以上の人にしか理解されないことを覚悟し、続けてみます。 
 以前「おおきな波がやって来る」で初代アメリカ人の夢は1950年代に一応の完成を見たと書いたが、 この展示会のタイトルも「アメリカが最も輝いていた1950、1960年代」と書かれていた。 
我々の世代はアメリカンポップカルチャ-として表現されている、この文化を憧れとして育った。 
 年寄りは想い出してみよう、我々の若い日のときめきを、ドリス デイ、サンドラデイ、コニ-フランシス、マリリン モンロ-。 
女性美も細いウエストに、現在の標準からすればやや大きい目のヒップ、これらを、ほどほどに強調した長めのタイトスカ-トやフレア-スカ-ト。 パンツ ルックなんか消え失せろ。今は知らないが、少し前までは(ずっと前になるのかも)ホワイト ハウスにはパンツルックでは入れなかった。 
痩せぎすのツイ-ギ-なんか出てこなければよかったのに。(但し、ミニ スカ-トをひろめた功績により罪いっとうを減じる) 
今回の展示でも、油絵で書かれていたタイト スカ-トの皺は妙に私を惹きつけた。 
 TV番組も「うちのママは世界一」、「パパは何でも知っている」など健全なアメリカ、おせっかいだが善意に満ちたアメリカ人が描かれていたと思う。 
 「おおきな波がやって来る」でも書いたが、「当時のアメリカは貯蓄率は高く、離婚率は低く、農業従事者は誇り高く、製造業が優位を占め勤勉、真面目であった。」 
 当時のアメリカ人の理想は、今のTV番組「ビバリ-ヒルズ スト-リ-」とは全く違ったものであった。 
女性は社会に進出することはなく、家庭経営と教育に専念し、夫を支える貞淑な妻が理想と考えられていた。 
キャリアウ-マンなんか飛んでもない。 
男にとってはいい時代でした。 
 ただそこには、人種問題やレッドパ-ジのような思想問題には、見て見ぬふりをし、WASP(White Anglo-saxson Protestant)文化の頂点を目指した時代であったのだろう。 
 その文化は〔期せずして〕成り金趣味と言われる物になったのだろう(チョット贔屓がきつそうーー自覚しています)。 
 ア-トについてもヨ-ロッパのア-トと異なり、「もはやア-トは一握りの金持ちの物ではない、我々のものだ」と叫んでいるように思える。 ヨ-ロッパの芸術、ファションはどこか我々大衆を蔑み、小馬鹿にして成立している様に感じてしまう。 
それに対し、アメリカファションは「皆おいでよ、皆で楽しもうよ」と言う感じです。 
 いつも考える、 ビトン、グッチ、プラダ等の高級ブランドと言われているものは、それを見てくれる大衆の存在を前提にして成り立っているのではないか。 
我々は、王侯貴族でも、大金持ちでもない大衆の一員でしかないのに、仲間の大衆を小馬鹿にして優越感に浸っている鼻持ちならないやからに見えてしまう。 その点、アメリカン トラディショナルは、誇りを持っているが、他者を見下し、優越感に浸ろうという部分は、はるかに少ないように見える。 
 芸術は爛熟した文化と有り余る富の沈殿物として生まれると聞いたことがあるが、ビトンの茶色は沈殿物の色、梅の形にしか見えない百合の模様は、不純物の結晶を思い起こさせる。 
 こういう私も、一時の、王侯貴族の気分に浸っている大衆を、小馬鹿にして生きている大衆の一員でもあるのですな-。 
 誰かは言っている、「大衆の愚を発見するのはたやすいが、自分も大衆の一員であることを発見することは必ずしも容易ではない」と。 
私は必ずしも容易に気がつかない事に、気付いてるヒネクレた大衆です。 
 大衆を指向した文化は、自ずと芸術、ファションの大量生産を前提とした芸術家を生むインダストリアル デザイナ-である。 
そして当時、機能美という言葉が氾濫していた。 
その頂点に位置するのが、「口紅から機関車まで」の著者レイモンド ロイだろう。 
私も中学のころレイモンド ロイに憧れたものだ。 
今回の展示で、レモンド ロイの作品がなかったのは片手落ちのような気がする(気がつかなかったのかもしれない)。 
 その他、展示物で興味を惹いた物に、並んで置かれていたト-スタ-とコ-ヒ-カップがあった。 ト-スタ-は当時のアメリカの金属プレス技術を誇示するように、薄く、繊細微妙な形に作られていた。 一方、コ-ヒ-カップは、陶器まで大量生産に馴染まそうとしたのであろう、分厚く、繊細さは、かけらもなく、いかにも愚骨である。でも可愛く写る。 
 文化、ファッション、芸術は、なんらかの形で、人の心を打つものだが、その心を打つ要因が、希少価値に多くを依存するものは真のア-トではないと私は考えている。 
 その点、希少価値に依存しようとしないアメリカン ア-トは爽快だ。 
 私の祈り、「大衆を小馬鹿にしませんように、小馬鹿にしているなら、そのような私を意識できますように。」 
 私は皆から距離を置いて優越感に浸れるほど孤独には強くない。 
強烈な淋しがり屋なのだ。 
だから私は、「Man kind is one」という標語が好きだ。 
私も人も皆同じ、矛盾と悲しみを抱えてこの世を生きる仲間。 
そして、会社はこの私の矛盾と孤立感を癒してくれる小世界。 
こんな気持ちが心の奥底にあるのだろう「社員に、もっと社長らしくしてください」と言われると「俺も皆と同じ従業員なんだ」と思えてきて、何かしら嬉しくなってしまう (社員はしばしば迷惑しているようだが)。 
 私は、単なる運命の巡り合わせで、社長という役割を受け持っているのだと考えています。 
だから、私は肩も張らず、素直に、あるがままに生きている。 
ただ、例によって、素直すぎる者ヒネクレ者の如しである。 
この素直さ故に、職業や異文化に対する偏見も少ないのだろう。 
職業に貴賤はない、人類は同じ種、人はそれぞれの運命に従って自分の役割を受け持っているのだ。 
 さてさて、前世紀の遺物はどのように生きようか。 
結論  私の価値観を若い世代に押しつけよう。 

その根拠 
 フロイトとともに、精神分析の基礎を築いたユングの理論を使おう。 
新たに文化を創造するにしろ、受け継ぐにしろ是非必要なものは父性の愛である。 
父性の愛は、社会、秩序感覚、生きる智慧を教え、理想を語るものである。 
また、原理、理念を教え、個々の場面への適応は個人の判断に任せ、主観の自覚とコントロ-ルを教える一方、 刺激を与え、未知の冒険に誘い、好奇心と興奮を与えるトリガ-となる。 
因みに、母性の愛は、安心や生きる喜びを感じさせ、個々の事柄への対処方法を教えるものである。 
 新しい世代は古い世代の文化の上に新しい文化を築くのだ。 
旧世代の文化を強烈に押しつけられた新世代が、ひ弱であれば、新世代は旧世代の文化の継承者となるであろう。 
この場合、伝統ある文化が継承される。 
新世代が旧世代の文化に強烈に反発出来る力があれば新しい文化を建設できる。 
 ハ-レ-のイ-ジ-ライダ-もアメリカントラデショナルのカウンタ-カルチャ-として、新しく築かれた真のアメリカ文化なのだ。 
ただ、私が嫌いなだけだ。 
 伝統を受け継がせるにしろ、乗り越えさせるにしろ、旧世代はその文化(価値観、倫理観、美意識)を提示する義務がある。 
そうでなければ、新しい世代は乗り越えるべき目標さえ見いだせないのだから。 
 今、学級崩壊に象徴される教育問題や社会問題は価値観として、優しさ、思いやり、単純な平等主義しか教えず、馬鹿げた「部分の理論」を振り回している 若者に迎合してしまい、毅然たる態度もとれず、その対処に右往左往し、明確な哲学や倫理、社会を教えなかった我々の世代の責任である。 
 私は間違っているかもしれない、しかし私の文化を若い世代に押しつけてみよう。 そして願わくは、新しい世代が私の考えを乗り越え、その上に大輪の花を咲かせてくれるなら、この世に生を受けた私の喜びとなる。 
また、私の考えを受け継いでくれるのならこれまた嬉しいことだ。 
 ただ、個人的に手っとり早く人気を得るには、思いやり、優しさ、同情、個々の問題への介入のような、「母性の愛」の方がずっと有効だ。 
 だが、理解されなくても良しとしよう、相手の成長発展を真に望んでいる私自身に感動し、それを私の満足としよう。 

 さあ、今日から、若い世代や女性から嫌がられ、煙たがられる「ガミガミ親父」を実行するぞ! 
ちょっと淋しいな。 
私は誰よりも人気の出る方法を知っているのに・・・・。 

関係はないのですが、50年も前、私に科学の心を育ててくれた「ポピュラ-・サイエンス」誌にお目に掛かれ、久しぶりに子供のころの、ときめきが蘇ってきました。 
嬉しかった。 

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