プラズマとは
ニッシンのプラズマ応用ソリューション
そもそもプラズマとは?
プラズマとは、気体を構成する分子が外部エネルギーにより、
電離、解離または励起といった高いエネルギー状態に
なった群のことを言います。
この高いエネルギーを利用し、産業分野では光、熱、
化学反応などに広く応用されています。
ニッシンではプラズマの化学反応性の高さを応用し、
様々な表面処理、表面加工を行っています。
マイクロ波プラズマを使った表面処理の仕組み
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STEP1.気体を電磁波でプラズマ化する
真空下で気体に電磁波を照射することで、気体を電離、解離、または励起などの高エネルギー状態=プラズマにすることができます。
ニッシンでは電磁波にマイクロ波(周波数の高い電磁波)を用いることで、一般的なプラズマ種より高密度なプラズマ生成を実現しています。
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STEP2.発生させたプラズマを対象物にあてる
発生させたプラズマを対象物にダウンフローにより輸送・照射します。
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STEP3.プラズマでの表面処理
プラズマが材料表面と化学反応を起こし、処理を行います。
例)
C(材料表面の炭素) + 2O(酸素プラズマ2つ) → CO2(二酸化炭素ガス化して除去)
POINT!プロセスガスの種類により様々な表面処理が可能に
プラズマ化する気体(プロセスガス)の種類によりプラズマの特性は異なります。
その気体の種類を変えることで、様々な表面処理が可能となります。
プラズマ化する気体(プロセスガス)の種類と表面処理
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酸素(O2)によるプラズマ
物質の表面の親水性向上や、アッシング/エッチングが可能です。
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フッ素(F)によるプラズマ
物質の表面にフッ素コートを行うことができるため、撥水化を実現する
ことが可能です。 -
水素(H2)によるプラズマ
酸化した金属表面に水素プラズマを照射することで、表面の酸化物、錆を落とすことが可能です。金属無垢面を形成する還元処理を行います。
生成方法別にみた3種類のプラズマとその特徴
プラズマは、気体による特性の違いのほかに生成方法によってもその特徴が異なります。
ひと言にプラズマといってもそれぞれ用途や目的に応じたプラズマを利用することが重要です。
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真空マイクロ波プラズマ(表面波プラズマ)
2.45GHzのマイクロ波を誘電体表面に伝播させ、誘電体表面のガスをプラズマ化します。「表面波プラズマ(Surface Wave Plasma:略称SWP)」と呼ばれ、広範囲に均一なプラズマを生成することが可能な手法です。
また生成されるプラズマの密度が高く、処理能力が高いため枚葉処理・短時間処理が可能であり、均一性や制御性が高い特徴があります。
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真空高周波プラズマ(容量結合プラズマ)
対向電極に13.56MHzの高周波を印可し、電極間にプラズマを生成します。
「容量結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma:略称CCP)」と呼ばれ、比較的大容量でプラズマを点灯することが可能な手法です。
一方、比較的密度の低いプラズマが生成されるため、一度に複数のワークを処理するバッチタイプが一般的であり、均一性や制御性が低い特徴があります。 -
大気圧プラズマ
大気圧下でプラズマを生成します。
「誘電体バリア放電」「コロナ放電」など様々なプラズマ生成手法があり、励起周波数も様々です。
その一番の特徴は、真空設備を必要としないことから、低価格で利用可能で、インライン生産へも組み込みやすいことです。
一方、真空のプラズマと比較して、処理能力が大きく劣ることから、用途を限定されます。
それぞれを比較してみると以下のようになります。
真空プラズマ | 大気圧プラズマ | ||
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マイクロ波(SWP) | 高周波(CCP) | ||
励起周波数 (高いほど高密度プラズマ生成が可能) |
2.45GHz(2450MHz) | 13.56MHz | 数十~数百kHzが一般的 |
均一性 |
プラズマ源の最適化とスキャン処理方式により、均一な処理が可能 |
電界強度分布や空間のガス分布によりムラが発生しやすい |
平均自由工程の影響から、特に高さ方向にムラが大きい |
効果・適用性 |
様々な材料に対して、高い効果がある |
効果が小さい、または無い材料もある |
密度やエネルギーが低いことから、用途が限られる |
コスト |
真空環境を作る必要があり、高コスト |
真空環境を作る必要があり、高コスト |
大気圧下で発生させるので、低コスト |
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