親水性向上(濡れ性の改善)
ニッシンのプラズマ応用ソリューション
プラズマを用いた親水性向上(濡れ性の改善)処理について
材料表面に親水基を付与し、親水性を向上
樹脂、金属、ガラスなど様々な材料表面に対し、主に酸素プラズマを用いて、化学的に水との親和性(=親水性)を向上させます。
樹脂への親水化では、右図のように酸素プラズマによって材料表面にカルボニル基、カルボキシル基といった親水性の高い官能基(OH基)を形成し、化学的に親水性を大幅に向上(超親水化)させます。
親水性を向上させる要素
- 親水性官能基の付与、酸化
- 未結合主の形成
- 電位的不安定面の形成
- 表面の微小粗化
ニッシンの親水性向上(濡れ性の改善)処理の特徴
水と相性の悪い撥水性・疎水性材料に対しても、強力なマイクロ波プラズマであるため、高い親水性向上効果を与えることが可能です。また、ニッシンのプラズマは高密度であることなどから、長期的に親水性を維持することも可能です。
プラズマを用いた親水性向上(濡れ性の改善)の主な用途について
- 微細部への液の流動性向上
- 防曇加工
- 長期親水化(効果の長寿命化)
- 細胞培養速度、採取性向上
素材別 親水性向上処理実績
有機物
- PI(ポリイミド)
- PS(ポリスチレン)
- PC(ポリカーボネイト)
- PE(ポリエチレン)
- PP(ポリプロピレン)
- PMMA(アクリル)
- PET
- COP
- エポキシ
- LCP(液晶ポリマー)
- DFR
- PSR
- ABS
- OPP
- フッ素系樹脂(PTFE、PFA、FEP)
- 炭素繊維
- シリコーンゴム
- 革製品
金属
- Cu
- SUS
- Ni
- Al
無機物
- ガラス
- Si
親水性向上処理事例紹介
ポリイミドに対する親水性向上処理
プラズマを照射した結果、水滴の接触角が68degから10deg以下になり、大幅に親水性が向上しました。
- 処理前
- 処理後
液晶ポリマーに対する親水性向上処理
プラズマを照射した結果、水滴の接触角が78degから10deg以下になり、大幅に親水性が向上しました。
- 処理前
- 処理後
フッ素樹脂に対する親水性向上処理
プラズマを照射した結果、水滴の接触角が92degから48deg以下になり、大幅に親水性が向上しました。
- 処理前
- 処理後
SUS304に対する親水性向上処理
プラズマを照射した結果、水滴の接触角が80degから10deg以下になり、大幅に親水性が向上しました。
- 処理前
- 処理後
長寿命親水化
ニッシンのマイクロ波プラズマなら、非常に高い親水性能を年オーダの長期間維持することが可能です。
材料:PS計測手法:水接触角
未処理
水接触角:78°
処理直後
水接触角:0°
処理240日後
水接触角:5°
シャーレ上の細胞培養性向上(PS-12細胞)
シャーレ表面にプラズマ処理を施すことにより、細胞培養性が大幅に向上します。
従来の表面処理やコーティング手法と比較して、高い培養性、均一性が得られます。
プラズマ処理品では、細胞の増殖性に加え、細胞の神経突起も多く見られました。
神経などの機能を得る対象物に対しても、効果的に働きます。
- 処理前
- 処理後
防曇処理
液の流動性を上げることで、レンズ、パネル表面の曇りを抑制します。
高湿度環境下での曇り性には、下記のような大きな差が表れます。